サイトを高く売る方法と失敗しないテクニック

サイト売却

売買サイト「サイトストック」を使って、相場より高値の265万円(手数料込み)でサイトを売りました。

売ったサイトの特徴

  • ブラックハットでSEOしたペラのアフィリエイトサイト
  • 広告のジャンルは出会い系(マッチングサービス)
  • 毎月の平均利益は約13万円(直近6ヶ月間)
  • 売却金額は月額利益の約20ヶ月分

サイト売買の相場は平均月額利益の「10ヶ月〜18ヶ月」程度であり、またブラックハットのサイトは相場より高値がつきにくいと言われています。

サイト売買の相場
売上がなくても売れる!サイト売買の相場と買い手のニーズ

(サイトキャッチャーの担当者とのメールやりとり履歴) 日本初の売買サイトで業界トップクラスの売買実績と掲載案件数を誇る「サイトキャッチャー」の担当者に言われた相場は、月間平均営業利益の10ヶ月~18ヶ ...

続きを見る

なぜ売りにくいとされるブラックハットのペラサイトを相場より高値で売れたのか?
そのポイントをまとめました。

同じ広告を扱っているサイトはまとめて売る

今回は同じ広告を扱っている2つのペラサイトを同時に売りました。

同時に売った理由

  1. 売買サイトに支払う手数料が1回分で済む。
  2. 売上を増やすことができる(2サイトの合算)。
  3. コンセプトや強みが違うことで、買い主からみた魅力が増す。

そして2サイトはそれぞれ強みが異なっていました。

サイトの強み

  • ドメインエイジが長くシンプルな構成で、クリック率が高いサイト
  • オリジナルコンテンツが多く、コンバージョン率が高いサイト

異なる強みを出すことで、2サイト同時に手に入るお得感を演出しました。

サイトを売るベストなタイミングは売上が伸びている時

買い主と交渉する中で求められる売上データは、直近6ヶ月程度が多いです。
そして中には、先月・今月などの最新状況を特に気にする買い主さんもいました。

今回はブラックハットのペラサイトなので、検索エンジンのアルゴリズム変動でサイトの順位が落ちたり圏外に飛ぶリスクが常にありました。

サイトの売上が下がれば売上が欲しい買い主からみた魅力も下がるので、値下げ交渉も強くなると判断して今回は売上が伸びているタイミングで売りました。

売却した2サイトの利益推移(売却月から直近6ヶ月間)です。

サイト1サイト2合計
2018年1月00.3万円0.3万円
2018年2月1.3万円2.5万円3.8万円
2018年3月2.6万円2.9万円5.5万円
2018年4月3.9万円5.4万円9.3万円
2018年5月17.1万円5.6万円22.7万円
2018年6月29.0万円8.5万円37.5万円
月平均8.9万円4.2万円13.1万円

2018年の6月から交渉を開始した買い主さんは、7月に入った時点で6月の売上を再確認してきました。

そして6月の売上を共有したところで売却金額を上げてくれたので、最高売上を更新した6月の実績を元に7月に売却できたのはベストなタイミングでした。

サイトの売却希望価格は売上の30ヶ月分に設定

売主が高く売りたいように買い主は安く買いたいので、当然値下げ交渉をしてきます。

この時最初から相場(10ヶ月〜18ヶ月程度)で売り出してしまうと、結果的に相場以下の価格になってしまう可能性が高いです。

ここで少なくとも月額平均売上の30ヶ月分で売却スタートが良いと判断しました。

実際に大手売買サイトでも問題なくサイト審査に通過し、売却スタートできました。

参考

  • サイトキャッチャー:45ヶ月分(月2万円のサイトを90万円)
  • サイトストック:38ヶ月分(月13万円のサイト500万円)
  • サイト売買Z:45ヶ月分(月2万円のサイトを90万円)
  • 参考:売買サイトの違いを比較

特にサイトストックは審査基準に相場が含まれていないので最初に強気な価格設定での売り出しが可能で、加えて出会い系サイトの登録も可能でしたのでオススメです。

買い手からの売買交渉申込みを増やす2つの対策

サイトキャッチャーの新着サイト、売り情報

(サイトキャッチャーの売りサイト情報)

買い手は興味のあるサイト(案件)があれば交渉申込みをして、売り手が承諾すれば交渉がスタートします。

現状交渉申込みが入るペースは、閲覧回数100〜150回に対して1〜2件です。

そのため閲覧回数が100回を超えて申し込みが0件であれば、対策を行う必要があります。
具体的に行っていた対策は2つです。

  1. 価格を下げる
  2. 案件名を目につくものに変更する

売り手が高く売りたいのと同じように買い手は安く買いたいと思っているので、価格を下げることは最も直接的で効果的です。

価格の下げ方は2パターンを実践しています。

  1. 毎日、数万円〜十万円ずつ下げていく
  2. 1週間ごとに、50万円以上の単位でまとめて下げていく

より早く売りたい場合は「1」で毎日変化を持たせるようにして、急いでいない場合は「2」でインパクトを演出します。

価格を下げたら案件名に「価格値下げ中」「価格相談可能」などの文言を追加しました。
案件名とは売り出し中のサイト一覧に表示されるタイトルのことです。

参考例

脱毛サイトを売り出していて価格を下げたら案件名を以下のように変えます。

脱毛のランキングサイト→「価格値下げ中」脱毛のランキングサイト

このように案件名をキャッチーに更新しておくことで、メリットが生まれます。

メリット

  • 目に止まりやすくなり、交渉申し込みに繋がりやすい。
  • 最新情報として扱われ、同じ登録日の案件の中で上位表示されやすい。
  • 更新によって売却の本気度が伝わり、真剣な買い手と繋がるチャンスが増える。

大手売買サイトのサイトキャッチャー、サイトストック、サイト売買Zではこのように変更できます。

サイトキャッチャー

事務局へ変更依頼のメールを送ります。

希望価格が変われば【価格変更】と案件名に追記して、買い手専用のメールマガジンやSNSで通知してくれます。

また掲載ルールに基づいた大幅な価格変更であれば、「新着サイト・売り情報」のトップページに再掲載してくれます。
(掲載ルールは担当者に確認しましたが、非公開でした)

サイトストック

自分でマイページからいつでも自由に変更ができるので、カンタンで即効性が高いです。

また新着案件は、毎週水曜日にメールマガジンで買い主にお知らせしてくれます。

サイト売買Z

事務局へ変更依頼のメールを送ります。

売買経験豊富な管理人さんがすぐに丁寧な返信をくれて、【価格変更】などの記載もキチンと付けてくれます。

このように価格と案件名を適宜変更することで買い手の目につきやすくなり、交渉申し込みをもらえるチャンスを増やせます。

サイトが欲しくなる売上データとアクセス解析の提出方法

アフィリエイト発生報酬の承認と確定報酬

(広告代理店の管理画面例)

より高くサイトを売るために、提出する2つのデータの見せ方を工夫します。

  • 売上
  • アクセス解析

まず収益(確定報酬)ではなく売上(発生報酬)データを提出します。

売上で提出する理由

  1. サイトの売却価格は、売上の何ヶ月分かで相場が決まる。
  2. アフィリエイター以外は、発生と確定報酬の違いをあまり知らない。

アフィリエイトでもらう報酬には「発生」と「確定」があります。
報酬の内容ともらう流れは以下です。

  1. 広告主の報酬発生条件を満たした「発生報酬」が上がる。
  2. 広告主が発生報酬の内容を確認する。
  3. 問題がなければ広告主は承認作業を行い「確定報酬」となる。
  4. サイト運営者に確定報酬が「振込金額」として振り込まれる。

買い手にはアフィリエイター以外に経営者やウェブ担当者もいて、こういった報酬の違いを知らない方も多いです。

そのため収益(確定報酬)ではなく売上(発生報酬)で交渉した方が、売却価格を高くできる可能性が上がります。

注意事項

売上で交渉する際は、発生報酬と確定報酬で大きな差がないことが重要です。

買い手がサイトを買い取ってから、いざフタを開けてみたら「言われていた売上と全然違う!」というトラブルの原因になりかねないからです。

発生報酬から確定報酬になる割合を「承認率」と呼びます。
承認率が70〜80%以下であれば確定報酬で交渉した方が、後からトラブルになりにくいと感じています。

承認率が70〜80%以上であれば発生報酬で交渉し、もし譲渡後に売上のことを言われたら「顧客の申し込み状況によって広告主の支払い調整がある」と伝えれば納得してもらえる範囲の差だと思います。

次にアクセス解析は、PV(閲覧数)とユニーク(訪問者数)を求められることが多いです。

一般的には3〜6ヶ月分で、直近データを特に重要視する買い手もいます。
特に期間の指定がなければ、数字が良い期間をまず提示して反応をみるのも有効です。

Googleアナリティクスのデータを見せて頂けますか?
と言われることが多いので、売りたいサイトに設置しておくと信用が高まると思います。

さらにクエリ(検索上位キーワード)を提供すると、買い手はSEOや広告出稿の際のキーワードが分かるので喜ばれます。

クエリはGoogleの「サーチコンソール」から無料で取得できます。

サーチコンソールの検索アナリティクス

  1. プロパティを追加(ウェブサイトを登録する)
  2. 検索トラフィック→検索アナリティクス
  3. 「クエリ」を選択

クリック数、表示回数(PV)、CTR(クリック率)、掲載順位ごとにクエリを取得することができます。

私は交渉をスムーズかつ確実に進めるために、二段階で提出しています。

ポイント

  1. 交渉時は上位10キーワード程度をキャプチャで提出
  2. 要望があれば、契約書を締結してからデータファイルを渡す(データは一括ダウンロードできます)

またこの内容をサイト案件のアピールポイントとして最初から記載することで、

  • 「クエリも見れるなら交渉してみるか」
  • 「クエリが全部もらえるなら購入後の運営に役立つな」

というプラスの判断材料になるのでオススメです。

詐欺や冷やかしに会わないためにやったこと

売買サイトを通しているとはいえ、インターネット上で顔や身元が分からない同士がやりとりをするので、中には「買う気はない」「情報だけ欲しい」という買い手がいる可能性も否定できません。

そういった買い手との交渉を未然に防ぐためにこの順番で対応していました。

  1. 最初はサイトURLだけ送る
  2. 返事が来たら次にデータ(売上やアクセス解析)を送る
  3. エスクローサービスは必ず利用する

最初のメッセージでいきなりすべてのデータを要求してきて、その後連絡が途絶えた買い主も複数いました。

またエスクローサービスは売買サイト(仲介会社)が間に入ってお金の管理をしてくれるので、契約(譲渡)後にお金が入金されないトラブルを防ぐことができます。

買い手は売り手以上に詐欺にご注意

買い手はお金を払うため金銭的リスクがあり、売り手より注意が必要です。

売り手が盗まれるものはサイト情報(URL)、検索キーワード(クエリ)、サイトデータ(アクセス解析やツール)であり、お金を取られる心配はありません。

対して買い手はお金を振り込んだ後にトラブルもありえます。

注意事項

  • 約束した期日までにサイトデータが送られてこない。
  • ドメイン移管の手続きに全然対応してくれない。

詐欺に騙されない対策法はこちらのページにまとめてあります。

(参考)騙されないための事前対策

まとめ

今回は相場以上で売りにくいとされている「ブラックハット」のペラサイトを相場以上の価格で売却した体験を元に、サイトを高く売る方法をまとめました。

  • コンセプトが同じのサイトを同時に売ることで、手数料カットと売上増加を実現した
  • 売上が伸びている時に売ることで、強気の交渉ができる
  • 相場より高い価格設定をして、値引き交渉に備える
  • 買い手の反応が悪ければ、適宜値下げや案件名を変更する
  • 売上とアクセス解析は、嘘のない範囲で良い数字を提出する
  • 交渉は段階を踏んで行い、詐欺や冷やかしを避けるようにする

最初はこちらの希望で強気の価格設定をして、買い手の反応をみながら歩み寄れば、お互いの最適な妥協点が見つかると思います。

© 2024 サイト売買の手引き【サイバイ】