サイト売買の税金ー売却の課税所得と購入の節税ー

サイト売買の税金

顧問税理士に聞いたサイト売買に関する税金処理は以下でした。

顧問税理士の見解

  • 法人運営のサイト売却益(売買代金)はすべて「売上」
  • 個人運営のサイト売却益は「事業性」によって課税所得が異なる
  • 法人も個人もサイトを購入した代金は一旦「資産」計上する

私は法人運営のサイトを売却しているので、区分なく売上になります。
個人の場合はどうなるのか?国税庁、税理士、売買サイトの見解をみていきます。

個人サイトの売却課税は事業所得か譲渡所得

個人のサイト売却はケースバイケースですが、基準は事業性があるかないかとのことです。

  • 継続的にサイトを売却していれば「事業所得」
  • たまたま1回行った場合は「譲渡所得」

加えて国税庁のホームページでは以下の記載があります。

2 譲渡所得の対象となる資産とは
譲渡所得の対象となる資産には、土地、借地権、建物、株式等、 金地金、宝石、書画、骨とう、船舶、機械器具、漁業権、取引慣行のある借家権、ゴルフ会員権、特許権、著作権、鉱業権、土石(砂)などが含まれます。

5 譲渡所得以外の所得として課税されるもの
資産の譲渡による所得であっても、次の所得は譲渡所得ではなく、事業所得や雑所得、山林所得として課税されます。

(1) 事業所得者が商品、製品、半製品、仕掛品、原材料などの棚卸資産を譲渡した場合の所得

(参考)国税庁のホームページ

次に加藤一郎税理士事務所の見解です。

一般論としては、資産の譲渡があった場合の所得分類については、所有者の意思によらない外部的条件の変化に基因する資産価値の増加は譲渡所得に当たり、所有者の人的努力と活動に基因する資産価値の増加は事業所得(又は雑所得)に当たると解されています(金子宏「租税法」より)。

平たく言えば、自ら努力して資産の価値を増加させた場合にはその増加部分は事業所得(又は雑所得)となり、経済状況や地価の高騰などの外部的な事情により資産の価値が増加した場合にはその増加部分は譲渡所得になるということです。

(参考)加藤一郎税理士事務所

そして売買の仲介サイト「サイト売買Z」の公式ツイートです。

以上からポイントを3つにまとめます。

ポイント

  1. 事業性がなければ譲渡所得
  2. 商品に該当したり、継続収益がある場合は事業所得
  3. 資産価値の増加原因によって、課税対象は変わる

「事業性」という基準は、顧問税理士の見解と一致しています。
また資産価値(売上など)の増加原因についてです。

  • 自身の努力→サイトの更新(記事追加など)、SEO、リスティングなど
  • 外部的な事情→検索エンジン(Google)の順位変動、メディア掲載(外部リンク)など

検索エンジンの変動結果にはSEOが、メディア掲載にはコンテンツの良さが反映されていたり、外部要因にも少なからず自身の努力=事業性が含まれているようにも感じます。

サイト購入は経費にできて節税対策になる?

購入したサイトは継続的な売上(収益)や利益(顧客獲得など)を期待できるため、一旦資産に計上します。

そのため広告宣伝費などの一般経費と同等の節税効果はないとのことです。

広告宣伝費

  • サイトへの集客を増やすための広告出稿(リスティング)
  • コンテンツを作るための体験や試供品の購入
  • 記事を増やすための外注依頼 など

売買サイトのコラムなどで「広告宣伝費として当期の費用にする」という内容も見かけたので、税理士によって見解が違う可能性はあります。

資産計上されたウェブサイトは性質(ソフトウェア機能や営業権など)によって、定められた期間で償却していきます。

ソフトウエアの耐用年数については、その利用目的に応じて次のとおりです。

(1) 「複写して販売するための原本」又は「研究開発用のもの」・・・・・・・・・3年
(2) 「その他のもの」・・・・・・・・・・・・5年
(法令13、54、法基通7-3-15の2~15の3、耐令別表第三、第六)

(参考)国税庁の耐用年数

ソフトウェアと見なされる機能

ログイン、検索、ゲーム、動画配信、予約、オンラインショッピングなど

ソフトウェアの定義は現状あいまいで、サイト作成でよく使われるワードプレスやシリウスも一概には言えません。

ただアフィリエイトサイトであればこれらの機能はないことが一般的なので、ソフトウェアにならないことが多いと思います。

おわりに

  • 法人サイトの売却益は、すべて売上で迷う必要なし
  • 個人サイトの売却課税は事業性があれば事業所得、なければ譲渡所得
  • サイト購入は節税対策になるとは言い切れない

私は税務の専門家ではないので、今回は顧問税理士、国税庁、売買サイトの公式見解を紹介しました。

当事者や相談する税理士、国税の担当者によって最適解が異なる内容だと思いますので、ご自身で然るべき相手と相談して決めることをお勧めします。

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